宣教報告
チェンマイ日本語キリスト教会
タイ王国第二の都市、古都チェンマイにある唯一の日本語教会、チェンマイ日本語キリスト教会は、タイ山岳民族伝道に備え、チェンマイで準備をしていた日本人宣教師たちに届けられたマケドニヤの叫び(使徒16:9,10)からスタートしました。チェンマイに住む日本人クリスチャンたちが、日本語での礼拝を必要としていたのです。
小さな不定期の日本語での礼拝が始まりましたが、宣教師たちが備えていた働きに向かう時期が訪れたとき、この群れのための専任の牧師を祈り求めました。しかし、海外にある経済的に困難な小さな群れの要請に応えてくださる方は、なかなか与えられませんでした。
「これを最後にしよう・・・」となされた呼びかけを聞き、「マケドニヤの叫び、主からの召し」として応答し、2018年まで14年にわたってチェンマイ日本語キリスト教会の牧師としてご奉仕されたのが、野尻孝篤先生、明子先生ご夫妻です。先生ご夫妻は、かつてOMF宣教師としてバンコクで奉仕されていました。
野尻先生ご夫妻のご到着直後から、大きな中国人教会の別館に一室をお借りすることも決まり、2004年に教会としての礼拝が正式にスタートしました。それ以来、今日まで働きが続けられています。この間、日本に送り出したたましいも多いですが、これまで30名以上が受洗に導かれてきました。
この教会は、「日本人教会」としてではなく「日本語教会」として、タイ人宣教に召されている方々とも協力しつつ、タイに住む礼拝者をタイの地に蒔き続けてきました。この地で引退生活を送る方々に加え、タイ人とご結婚されたお母さんたちも、小さなお子さんたちを伴って教会に集っておられます。自ら牧師を招聘する経済的な自立においては、時間を要する地域的課題を抱えている群れですが、続く働き人が必要です。野尻先生ご夫妻が定年を迎えられ、後任を求めつつも応答する者がない日々の中、思いもかけず、私が主からの召しを受けることとなりました。初めて野尻先生をお訪ねした際に言われた、「もし来てくださるなら、教会に未来が見えます」との言葉に、主の群れに対する深い愛と、積まれてきた祈りの姿を覚えたことです。
チェンマイディアスポラ宣教は、チェンマイに住む日本人の救いにとどまらず、タイに住み、タイの人々ともに生きるキリスト者が、タイの人々にとってキリストの光となるためのタイ宣教でもあります。アジア宣教の拠点として、重要な地に位置するチェンマイは、多くの働き人との協力宣教の可能性に満ちています。どうぞ、この小さな教会が、この地でキリストの光として輝き続けるためにお祈りくださり、ご協力ください。